Kenichi's Time Out !

最近なにかいいことないかしら?
素敵なクラシックCDや本などの紹介とちょっとおもしろい話をUPしております。
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及川浩治のシレンシオ
評価:
及川浩治,ロータ(ニーノ),モリコーネ(エンニオ),モリコーネ(エンニオ),ピオヴァーニ(ニコラ),トロヴァヨーリ(アルマンド)
コロムビアミュージックエンタテインメント
¥ 2,200

及川浩治というピアニストがいる。
ショパンやラフマニノフ、リストそしてベートーベンなどのCDで優れた演奏を聴かせてくれる。

宮城県の出身で国立音大からソフィアに留学し、そこで、かのアレクシス・ワイセンベルクに認められたという経歴も面白い。

彼が有名になったのはショパンの旅という演奏会で、観客動員数も半端ないものであった。

テクニックに裏打ちされた力強い演奏とロマンチズム漂うデリケートな演奏が持ち味であるが、
最近はどういうわけかパワーでぐんぐん押している演奏が多く、私はちょっぴり不満。

それと、彼が主催する室内楽のピアノトリオBeeというのがあって、
これが最高にエキサイティングで楽しいのに、
所属事務所の違いなども絡むのだろうか?
理由はわからないがCDが一枚も出ていない。

こんな不満一杯の状況ではあるのだが、
私にとって隠れた喜びの一枚がある。

それがこの「シレンシオ」!

ジャケットの及川さんがちょっと涙目っぽいところからして好き。

ジャケットを開くとまたそこはとってもロマンティックな世界があって、
私の胸はときめくのである。

誤解のないように書いておくが、
それは別に及川さんに恋を感じるという男色系の話ではなく、
ジャケットの写真を見ながら音楽の中に夢を膨らませるという話である。
悪しからず!

さて、このアルバムはサブタイトルに海の上のピアニストとあるように、
イタリアの作曲家による映画音楽を集めたアルバムだ。
しかし、この演奏が素晴らしいのである。
粒立ちのよいパッセージなどいかにもクラシックのピアニストらしいし、
ポピュラーの演奏家のような没我的な入り込みかたではなく、
曲と演奏家の距離感を保っているところも素晴らしいと思う。
個人的には超お勧めの一枚。

この演奏を出来ればアンコールの時などに聞いてみたいと思う。
及川さん、これを見てたらよろしくお願いしますね〜!
きっとみんな喜ぶと思いますよ〜。


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中村紘子のロシアもの
評価:
中村紘子,チャイコフスキー,スヴェトラーノフ(エフゲニ),ソヴィエト国立交響楽団
ソニーレコード
¥ 1,282

中村紘子というピアニストがいる。
日本代表するピアニストの一人である。
小説家庄司薫の奥さんでもある。
カレーのCMでも有名である。

中村さんはピアノをおじさま向けに作られた楽器であると言う。
なのに自分の手は小さいので、とても大変なの!という感じ。

育ちがよいお嬢様という感じがしてならない。
野蛮な男社会にあこがれているようで、ピアニストを蛮族と呼んだりする。

でも、やっぱりお嬢。

一般にショパン弾きと思われているふしがある。
確かにショパンは上手。
だけど最近ちょっと惹き方が荒くて面白くない。
でも、有名なのでみんなお世辞で、素晴らしい、ぶらぼーなんて言う。
それで本人も自分の下手さ加減に気が付いていないようだ。

昔の演奏はよいが最近のはお勧めしない。

そんな中村紘子だが、意外にいいのはロシアもの。
これは当たり外れがない。

ここにお勧めするのはチャイコフスキーの1番とラフマニノフの2番のカップリング。
まさに定番中の定番である。

オケはソビエト国立交響楽団で、指揮がエフゲニ・スヴェトラーノフ。
私はこのメンバーで演奏したラフマニノフの2番を生で聴いたが、
確かに素晴らしかった。

このCDも素晴らしい。
私はショパンよりもこのカップリングの方が蛮族らしくていいと思う。
中村さんの理想とする姿がここになるような気がする。

とりあえず、他の人はどう思うかわからないが、
私はこのCDを中村さんの代表作としてお勧めしたい。


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