Kenichi's Time Out !

最近なにかいいことないかしら?
素敵なクラシックCDや本などの紹介とちょっとおもしろい話をUPしております。
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亡き王女のためのパヴァーヌ
<div class="jugem_theme">JUGEMテーマ:音楽


NHKで放送された「名曲探偵アマデウス」を見た。
今週のお題は「亡き王女のためのパヴァーヌ」
なんとも言えない文学的な構成で大変に気に入った。

モーリス・ラベルという作曲家
不幸にして、私は、あまりこの作曲家については知識がなかった。
ボレロ、亡き王女のためのパヴァーヌ、水の精、夜のガスパールなどが代表であることぐらいが私の理解するところであり、印象派に該当するドビュッシーもそうだが、私はあまり好きではなかった。
何故かと言えば、どうも印象派の音楽というのは、古典派のように構造がはっきりしているわけでもなく、ロマン派の作品のように美しいわけでもなく、なんとなくだらしなく聞こえてならないのだ。特に、ラベル、という作曲家のピアノ作品はどうにも好きになれなかった。

しかし・・・、そして分析
この1899年に作曲されたピアノ曲「亡き王女のためのパヴァーヌ」が今回は取り上げられ名曲探偵によって徐々に分析されて行くわけだが、まずは、例によって音楽理論による分析がなされ「空虚5度」が出てきた。なるほど。確かこれはベートーベンの第9交響曲の冒頭でも有名な平行5度の用法。つまり、調性を決定付ける第3音を省略した中抜きの和音を使うことで、長調とも短調ともつかない、なんとも不思議な印象を与えるものなのだ。不安な響き。さて、そこから、どう展開するのだろうと思っていると、今度は教会旋法が出てきた。つまり、チャーチモードを用いることで現在の調性とは異なるどこか懐かしくも淋しいものを感じさせるというわけだ。この曲ではドリア旋法が用いられているので、ニ短調にも似た響きが感じられるはずである。と、楽典的な分析はそこで終わり、そこからは、「王女」とは誰なのか?ということに視点が移り、ラベルという人物の解析に進んでいく。

王女は誰?
一体、王女とは実在したのか、架空のお話の中の人物なのか・・・。
ラベルという人は生涯独身で恋人もいなかったのでは?という推理も。
つまり、ラベルという人物は大人になりきれていないため、おとぎ話の主人公であった王女のために書いたのだ、とする説などが登場して、ラベルの人物論に展開していくのであった。

なんとも悲しく、美しい曲だろう
そんな分析を聞きながら、実際の演奏を聞いていくと、そこには獏とした寂寥感が漂い、なんともいえない文学的な孤独感が表出されるのである。
番組の展開も実に文学的なもので、大いに気に入ったし、この曲自体も大いに気に入った。
これから、楽譜を入手して徐々に練習していこうか。
そんな気になってしまう番組であった。
アマデウス!ありがとう!
| Kenichi.Asano | CLASSICS | comments(0) | trackbacks(0) |
パリのめぐり逢い <私のお宝CD>
JUGEMテーマ:日記・一般


CDジャケット
このCDは最高だ!
しばらく前になるが、必死の思いでやっと手に入れた一枚である。
こんないい作品なのに、国内版がないばかりか、輸入もされていないという現状を憂う。
「パリのめぐり逢い」に至ってはDVDもないというあり様。
なんとか業界の方に改善をお願いしたい。

最強のコンビによる名作
さて、このCDはと言えば、クロード・ルルーシュ監督、音楽はフランシス・レイ(!)という最強のコンビによる映画のオリジナル・サウンドトラック。
このコンビ、一体何がすごいかというと、映画を撮影するにあたり、先に音楽を作っておくのだ。
シーンの撮影直前に、バックに流す予定の音楽を俳優に十分に聞かせてからカメラを回すということをする。
それで俳優さんの気分も盛り上がり、映像にぴったりの演技を引き出すことができる。
だから、ルルーシュの映画では音楽がとても重要。
この最強コンビの作品で有名なものに「男と女」「パリのめぐり逢い」があるが、このCDは、この最強コンビの名作2点が一枚にまとまっており、もう、言うことがない一枚だ。

パリの憂鬱
「男と女」はDVDがあるので、この二人が製作する映画の大体の様子は「男と女」を見ればわかる。
例の「シャバダバダ、シャバダバダ」というスキャットが有名だが、実はフランス風のボサノバがふんだんに使われていて、パリの憂鬱とはこんなにおしゃれなのか?と思わせる。
アンニュイという言葉を映像にするとこうなるのだという典型かと思う。

アンニュイこそフランス映画の妙
この2作でアンニュイな曲の代表はどれかというと、「男と女」では、まぁ、ほとんどがそうなのだが、とりわけ「愛は私達より強く(Stronger Than Us)」という曲がそうだろうか。
ニコール・クロアジールの歌がけだるく入っていて、映像と最高のマッチングである。
「パリのめぐり逢い」では「カトリーヌのテーマ(Theme To Catherine)」がそうだろう。
ハモンドオルガンがパリの街を想起させる中に、午後のけだるさをあらわすようにトランペットが流れてくる。
確か空港かどこかの場面で使われたように覚えているのだが、これはまったく新しい叙情であると直感したものである。

色褪せない斬新さ
「男と女」は今、観ても非常に斬新である。「パリのめぐり逢い」についても斬新であるだろうと思うが、見直すことが出来ない現状ではなんとも言えない。
しかし、キャンディス・バーゲンがイブ・モンタンとの不倫の恋を、アニー・ジラルドが夫の浮気を疑う妻を見事に演じていたのは間違いない。
もう一度、見てみたいものである。このCDを聞きながら、改めてそう思う。


A Man And A Woman・Live For Life
(Original Soundtracks) DRG12612

1.A Man And A Woman(男と女)
2.Samba Saravah
3.Today It's You
4.A Man And A Woman
5.Stronger Than Us
6.Today It's You
7.In Our Shadow
8.Stronger Than Us
9.124 Miles An Hour
10.Live For Life(パリのめぐり逢い)
11.Theme To Catherine
12.Theme To Candice
13.Live For Life
14.Now You Want To Be Loved
15.Theme To Catherine
16.Theme To Robert
17.Live For Life
18.All At Once It's Love
19.Zoom
20.Live For Life
| Kenichi.Asano | DIARY | comments(7) | - |
マイ・ブルーベリー・ナイツ スペシャル・エディション
とうとう11月。一年もすでに大半が過ぎ去ってしまった。
今日は11月3日だというのに、朝から曇り空。雨さえもちらついて、とても陰鬱な午後だった。
こんな日は、こんな映画がいいのかも知れないと思って、ディスクを手にした。
「マイ・ブルーベリー・ナイツ」どことなく甘くてソフトな響き。
ノラ・ジョーンズの初出演作品。まるで彼女の歌のように気だるく、だらりとした時間が過ぎてゆく映画だった。

孤独な人々
アメリカの夜は孤独でいっぱいだ。
店のカウンターに凭れて、ひと言ふた言つぶやいては、グラスを口に運ぶ。
誰も待つ人がいない夜。
暖かな部屋の明かりに目をやれば、そこには愛の世界。
孤独な人々が羽を休めるひと時の夢。
愛しているのに、離れてしまう。
愛しているのに、傷つけてしまう。
愛しているのに、無関心を装う。
愛しているのに、見知らぬ人と親しげにしてしまう。
そんなアメリカの孤独がこの映画には溢れている。
とりわけスーとアーニーのエピソードは痛々しく、心に響く。

東洋の暖かい目線
監督はウォン・カーウェイ。
この映画、どこかアジアっぽい目線だと思っていたら、やはり、そうだった。
じっくりと人間を見る目線、だが、そこには東洋の匂いがしていた。
そこがとても新鮮ではある。
どこが?と聞かれると、答えにくいが、
この映画には「ションヤンの酒場」などの中国映画と共通した目線が、
はっきりと存在している。
どこか湿度の高い映像なのである。

配役の妙
ジュード・ロウもこんな役はぴったりとはまる。
はじめか想定していたのではないかと思うほど、ぴったりである。
そして、ノラ・ジョーンズ。
どうして、これがラビ・シャンカールの娘なのか?と思う。
内省的な女性の役をうまくこなしている。
レスリー役のナタリー・ポートマンもよかった。
崩れそうなバランスを微妙に保ちながら生きている女を見事に演じているし、
レイチェル・ワイズの後半の演技もすばらしく感動した。
アーニー役のデイビッド・ストラザーンという人もよかった。
とにかくこの映画は秀作である。
どの俳優の芝居も自然で実在感があった。

気だるい秋雨の夜は、この映画、お勧めです。
| Kenichi.Asano | - | comments(0) | - |