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映画「ラフマニノフ 〜ある愛の調べ〜」を見る
JUGEMテーマ:映画


ラフマニノフ 〜ある愛の調べ〜
ラフマニノフ 〜ある愛の調べ〜

ラフマニノフが映画になった!
いや、正直なところ驚きです。
だってそうでしょう?学校の音楽室にラフマニノフの肖像画が飾ってありましたか?
バッハやベートーベン、モーツアルトは知っていてもラフマニノフを知っている人はあまりいませんよね。
それが映画になったというのですから、驚きは隠せません。

そっくりな俳優さん
これまで映画になった作曲家って意外に沢山います。
私が知っているだけでも、チャイコフスキー、ベートーベン(数回)、モーツアルト、ショパン、ブラームス、バッハ、ワーグナー、マーラーなど・・・。
みなさん、著名な作曲家ばかりです。
そこにラフマニノフです!それが「ラフマニノフ 〜ある愛の調べ〜」です。
これまでの映画では、俳優さんがご本人と似ていないケースも沢山あったのですが、この作品は実によく似ていますね。
安心して見れます。
エフゲニー・ツィガノフさんという俳優さんですが、若い頃のラフマニノフの写真にそっくりです。
手も大きいので、なんだか生きたラフマニノフを見ているような錯覚にとらわれました。
こういうのは伝記映画では大事な要素だと思いますよ。

この映画の一番の見所?
まず、これは風景ではないかと思いますね。
私がラフマニノフの音楽を初めて聞いたのは中学の頃です。
父が買ってきたピアノコンチェルト第2番のLPレコード。
このジャケットに朝日が昇ってくるような絵がはめ込まれていました。
だから、私はラフマニノフのピアノコンチェルト第2番というとどうしても朝日が昇るイメージなのでしたが、いつも若干の違和感を感じていたのです。
しかし、この映画を見て、ぱ〜っとイメージが変わりました。

映画の冒頭でピアノコンチェルトの2番の演奏が始まると、ラフマニノフが生まれ育ったロシアの風景が出てきます。
このシーンを見るだけで十分に価値がある映画だと思います。
蓮の花が咲いた大きな池。白樺の並木に陽の光がキラキラと輝いて、本当に素敵な風景です。
ラフマニノフはロシア革命後、アメリカに亡命したわけですが、ロシアのこの風景が忘れらず、望郷の念を抱きながら作曲をしていたといわれます。
その意味でも、この映画の冒頭から、じゃじゃ〜んと現れる風景はラフマニノフ愛好家にとってとても貴重なものだと思うのです。
私はこのシーンだけで、十分に満足しました。
音楽の演奏シーンはたいしたものはありません。
そして、もっぱら、作曲が出来ないと悩んでいる場面が多いのです。
もともとこの映画はラフマニノフを支えた陰の女性とラフマニノフの愛の絆を描いたものですから、それ以外のものはあまり意味がありません。
あとはイメージ的なシーンが続きますので、やはり、ここは、ラフマニノフの作曲を支えたロシアの原風景がなによりの見所かと思います。

なぜラフマニノフなのか?
しかし、最初にも書きましたが、なぜラフマニノフなのでしょうか?
生前のラフマニノフは作曲家としても、有名でしたが、ピアニストとしての活躍のほうが圧倒的であったと思います。
それに、当時、新ウィーン派がヨーロッパを席巻している時に、ラフマニノフはそんな音楽には目もくれず、ひたすら自分の音楽を追い求めていました。
そして第一交響曲の失敗から、さらに大衆受けするものを目指すようになったのですが、これがわかりやすくロマンティックなメロディの影に高度なテクニックと洗練された構造を持った音楽でとなったため、そのわかりやすさ、ロマンが目立ちすぎて、やや軽薄な音楽と思われ、正しく評価されなかった傾向があります。
しかし、アレクシス・ワイセンベルグとカラヤンが残した演奏やアンドレ・プレビンが取り組んだ交響曲第2番などのヒットによりラフマニノフの音楽の再評価が始まったのではないかと思うのです。
1970年の後半から、急にラフマニノフの演奏回数が増えてきたと感じています。
ブルックナーが流行し、マーラーの再評価が始まり、長い交響曲に対する免疫が出来たのでしょうか・・・。
ラフマニノフの交響曲も演奏される機会が急激に増えて来ました。
もっぱら第2番ですが、この2番のヒットによって、第1番も実はすばらしい作品だったのではないか?との見方も出てきて、今、空前のラフマニノフブームが到来しているのだと思います。
映画音楽に、フィギュアスケートの音楽に、そして、のだめの劇中音楽に使われ、ラフマニノフは今、正に大ブレイク!!

よく使われているのは?
映画やスケート、CMなどによく使われているのは・・・、そうですねぇ・・・、いくつかあげてみると、次のようなナンバーになります。
1)ピアノ協奏曲第2番
2)ピアノ協奏曲第3番
3)エレジー
4)パガニーニの主題によるラプソディ第18変奏
5)ヴォカリーズ
これらの5曲はとてもよく使われているので、ラフマニノフ?知らないわ、という人でも、これらの5曲は、聞けばわかるはずです。
だまされたと思って、ぜひ一度、意識して聞いてもらいたいものだと思います。
この小山さんのCDが入りやすいと思いますので、参考までに紹介しておきます。


さて、映画の感想は?
物語そのものは、あまり面白くありませんでした。
でも、風景だけは、とてもよかった。
音楽をそのまま表現しています。
それと、これはロシア映画ですので、アメリカでの生活のシーンもすべてロシア語です。
とても違和感があるのですが・・・。
サブタイトルにあるような、ある愛の調べ・・・という感じでは、決してありませんので、ご注意くださいませ(笑)
| Kenichi.Asano | CINEMA | comments(2) | - |
カオル (2008/06/29 7:13 PM)
待ってました!(と言いながらコメントが遅くなってしまいましたが)
「ラフマニノフ」の映画、私も見に行きましたよ。ウンチク語りの夫と。(彼のウンチクは『結婚できない男』の阿部寛演ずる桑野信介といい勝負。うるさい!)
ラフマニノフ役のMr.ツィガノフは本当に本人に似ていましたね。ラフマニノフの音楽をたくさん聴けるのかと楽しみにしていましたが、そうでもなかった。話も時代があちこちに飛ぶので、私にはわかりにくかったのですが、こういうときにはウンチク男が隣にいると助かるというものです。
kenさんもブログに書いてらしたけれど、ラフマニノフって手が大きかったんだそうですね。ピアノの鍵盤は12度も届くとか。私なんて8度がようやっとなのに……。

風景が本当にきれいで、ライラックは映画をひときわ引き立てていました。故国というのはあのように深い思いがあるものなんですね。
そして妻のナターシャは、夫であるラフマニノフをどんなときにもそれはそれは献身的な愛で包み込んでいて、うーん、羨ましかった。それほど愛する人と結婚できたことが!これからでも遅くはない、私もウンチク男を愛しましょうか、・・・・・。
ken (2008/06/29 9:24 PM)
ほんまですねぇ。
ライラックの花束という意味でしょうか?ライラックスというのがこの映画の原題でしたね。
ラフマニノフは作曲のための別荘を持っていましたが、そこの名前は「セナール」というですよ。
これはね、セルゲイのセ、ナターシャのナ、ラフマニノフのRをつなげて「セナール」と名づけたのです。こんなところにもあの二人の愛の深さがうかがえるのではなでしょうか。
あれ?私もウンチク?いや、参りました!